Chu * Chu
「海ちゃん、風ちゃん!お待たせ〜っ!」
運動量は豊富なはずだが、観光客で溢れかえる東京タワー展望台の人並みを
掻き分け疲れて光がゼエハアと肩で息を吐く。
「さっすが光、滑り込みセーフね」
「おはようございます、光さん。海さん…、私たち受験生に『落ちる、滑る』は禁句かと…」
「当確の風に細かいこと言われたくないわ〜。ね?光」
「『滑り込みセーフ』だからいいんじゃないか?この際セーフだったら崖っぷちでも薄氷でも…」
模試での志望大学合否判定が微妙なラインにある光には切実だ。
「まぁまぁ、今日はお誕生日なんだから、受験は忘れてパーッと行きましょ!お祝いはあっちで
まとめてやるわね」
「ランティスさんもお待ちかねですわ」
ランティスの名を出されて、光が見事に赤面していた。
「そっ、そんなのフェリオやアスコットだって一緒じゃないかっっ!」
決定的に違っていたのは、光が自分自身のランティスへの想いに気づくまで三年近く費やしていた
ということだ。風や海はとうに想いを通わせて恋愛を楽しんできたが、光は自覚したと思ったら受験生
生活突入でデートらしいデートもしていなかった。まあ相手がセフィーロ一の…いや同盟四国一の
朴念仁であることも大いに関係していたかもしれないが…。
「はいはい、そう照れんでよろしい。さ、行きましょ」
真っ赤になっている光のネコミミをむにむにつまむと、海は二人の手を取った。
「「「セフィーロへ!」」」
「誕生日おめっとうさん!!」
セフィーロ城の広間に現れた三人娘を、今日も熱烈なハグで出迎える女がいた。
「やーっ、ちょっとカルディナやめてって!ルージュがとれちゃうじゃない!」
「お子ちゃまやと思うてたお嬢さまがルージュってかいな。そやけどソレ、可愛いらしい色やし、
プルっプルのツヤツヤやん!」
「私も羨ましかったんです」
「うんうん、すっごくいいよね、それ。私も色つきリップよりそういうのにすれば良かったかな…」
「いいでしょ〜?≪キス待ち顔≫のCMで売れてるのよ、これ」
光がまたばばばっと赤面する。
「キ、キス待ち!?」
「じゃじゃ〜ん!持ってきてるから貸してあげるわよ。新しいのもいくつか持ってきたから」
「えっ!?」 「まあ…」 「ラッキー!」
三人三様の反応が上がると海が苦笑した。
「カルディナはちゃんとルージュつけてるじゃない…」
「そないに固いこと言わんと。マンネリは恋愛の敵や。ちょこっと目先変えて気ィついてくれるか
どうかがスリリングなんやで?」
「判ったわよ。じゃ、ここで塗っちゃう?」
「男性陣が入ってらしたらびっくりされますわ」
「うふん♪そういうことやったらウチに任しとき!」
肩に掛けていた紗(うすぎぬ)にフワリとかぜをはらませると、カルディナの舞に合わせて扉の
取っ手を結わえつけていた。
久しぶりに見たカルディナの技に、三人娘から拍手が起こる。
「さ、これで足止め完了や。ちゃちゃっとやろか」
海がトートバッグのポーチからルージュとミラーを取り出していた。
フェ風…ナチュラルに
アス海…キス待ち顔しても煮え切らないアスコットのくちびるを海ちゃんが
奪いに行く
ラン光…キス待ちと言いつつ、目をギュッとつぶっている。ランティス微苦笑しつつ
ラファカル…オトナ...です
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「似合う色はそれぞれだし、プレゼント用にいくつか持ってきてるんじゃないか?」と
ご指摘があり、一部改稿しています。
なお、当サイトの普段の取り扱いとはCPの取り合わせが違う場合もございますので
その点はご了承くださいませ ぺこ <(_ _)>
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1.宿題提出一番乗りは ほたてのほさま でした♪
こちらのサイトの2011.8.23付けの記事
『☆オフ会宿題に解答!(ラン光)』 にてご覧くださいませ
2.つづいて 恵さま からいただきました
(恵さまのSS+イラストへは
ほたてのほさまの解答をご覧いただいた上で
こちらに戻っておすすみくださいませ ⇒ 管理人の暴走へ)
3.そして 3児の母さま の 素敵フェ風 + 管理人の駄文
見たら思わずてれちゃいます 壁┃*ノノ) キャー
4.明治ミチルさま は 海ちゃんを引き当てられました
(注文…もとい、リクエストを多数お受けになってるようなので保留中。
もしも描いていただけたら超ラッキー♪ってことで…)
タイトルは資●堂マキアージュの口紅のCM曲、
moumoonさんの Chu Chu からいただきました