(un) Happy  Halloween !  vol.3

 

 コツッ……

 

 コツンッ……

 

 

 何かの物音を聞き付けた少女がきょろきょろと辺りを見回すと、窓の外でブンブンと両手を振る、パステル

ミントグリーンの髪の小さな妖精の姿があった。

 「あれ…?ランティスお兄ちゃんの妖精さんだ…」

 城の住人以外で光が初めて友達になった少女ミラの家にプリメーラは押しかけていた。

 ミラは窓を開け、小さな客人を迎え入れた。

 「こんにちは。ランティスお兄ちゃんの妖精さんだよね?」

 「そう。私はプリメーラ。名前で呼んでくれても構わなくてよ。いきなり本題に入るけど、晦のハロハロ祭り、

参加するの?」

 「ハロハロじゃなくてハロウィンじゃないかな…?ランティスお兄ちゃんが持って来てくれたお触れ書き

みんなにもバッチリ配ったし、ヒカルお姉ちゃんにも会えるからお菓子たっくさん用意しようって、お母さんと

準備してるとこなの!」

 「じゃあ、少し頼みたいことがあるんだけど、聞いてくれるかしら?」

 光には勿論のことランティスにも気にかけて貰っているミラが、二人の関係者であるプリメーラの頼みごとを

断るはずもない。(実情を知っていれば別だろうが・笑)

 「私に出来ることならいいよ」

 「助かるわ(ふふふ)ブーン、こっちよ!」

 プリメーラは振り返ると大鴉に似た生き物を呼びつけた。

 背中に取り付けられた小さなリュック状の袋の蓋を開け、プリメーラはミラに言った。

 「中のキノコ、全部出してくれる?」

 「いいよ。…キノコ狩りにはよく行くけど…見たことないキノコばっかり」

 内心ギクリとしたプリメーラが髪を直すフリをしてごまかした。

 「そりゃあティターニアの森や精霊の森のサンクチュアリにあるとっておきですもの。そこいらの森には

なくってよ」

 「全部出したよ。これ、どうすればいいの?」

 「エキスが十分出るようになるべく細かく刻んで…」

 「うん」

 「あ、いいサイズの鍋があるじゃないの」

 勝手に奥まで入り込み、地球でいうミルクパンを指さした。

 「刻んだキノコ入れて、この辺まで水入れて丸一日寝かせて。そのあとグツグツ煮立てて、半分ぐらいまで

減ったらとろ火にして。焦げないようにちゃんと掻き混ぜてね」

 やたら細かいことをいうプリメーラに、ミラが一生懸命メモをとっていた。

 「……そこまで書けたわね。最終的にこのあたりまで煮詰まったら完成よ。ハロッズの焼き菓子の生地に

混ぜ込んで普通に焼いてちょうだい」

 「…ハロッズじゃなくてハロウィンだよ、プリメーラさん。なんだか薬師(くすし)さまの作る苦いお薬みたいに

なりそうだね。お菓子が変な味にならないかな?」

 「あんまり判らないはずだけど、薬だからいいのよ。いい?このお菓子はちっこ…い…わたたっ」

 「…?」

 「ヒカルだけに食べさせてあげる特別なお菓子なの。他の人の分に使っちゃだめよ」

 「どうして?ランティスお兄ちゃんもだめ?」

 「ダメダメ!第一、ランティスは甘い物嫌いだからお菓子なんて口にしないわ。それに薬だって言ったでしょ?

男の人には効果ないのよね、それ。いつも遠いとことセフィーロを行ったり来たりして疲れてるだろうから、

妖精族の秘薬で癒して貰おうっていう健気な私の配慮よ」(その『健気な』はどこにかかっているのやら…)

 「ふうん。わかった。頑張って作って『プリメーラさんからだよ!』って渡すね」

 「それもダメ!私の名前は出さないで」

 かなり面倒な頼みごとのわりにNGばかりでさすがのミラも文句が出た。

 「まただめなの!?どうして?」

 「ランティスがこの国に戻ったばかりの頃からずっとそばにいるから、私、疎まれてるのよ、ヒカルには……」

 一世一代、背中に哀愁を貼り付けて伏し目がちにプリメーラが呟く。

 「うそ!ヒカルお姉ちゃんはそんな人じゃないもん!」

 光シンパのミラが肩を持つのは計算済みだ。

 「いい人なのは知ってるわ。でもあなた、まだ本気の大人の恋なんて、したことないでしょ?」

 「そ、それはないけど…」

 「大人の女はね、なかなか単純に割り切れないの(まったく…、あーんなガキのどこがいいんだか)

いけないことだと解ってても、恋の魔力の前には逆らえないのよ(ランティスを悪魔の魔法から解き放って

あげなくちゃ)。だからヒカルが悪いんじゃないの(アタシからランティス奪おうだなんて極悪人だけどねっ!)

だからお願い」

 見た目は可愛くてもそこは年齢不詳の妖精族(セフィーロでは人間も年齢不詳気味だが)、子供をだまくらかすのは

ちょろいものだった。

 「……うん。…いつか本当に≪なかよし≫になれたらいいね!」

 そう言ってミラはニッコリと笑い、プリメーラはこの上なく強力な助っ人をゲットしたのだった。

 

 

 ランティスたちが触れ書きを配ったあと、城下町の各エリアの世話役たちが質疑書を携えてやってきていた。

 「小さな子供のいる家を中心に多くの者が興味を持っています。しかしお城の皆さまがたで全てを回るのは、

夜通しかけても無理なのではありませんか?」

 「へえ、そんなに参加したい者がいるのか。ファーレン並の都だとは言わないが、確かにまぁキツいよな…」

 フェリオがかりかりと頬を掻いていた。

 ≪夏≫の花火は眺めるだけのものだし、≪春≫の花見や≪冬≫の雪まつりはコミュニティー単位で

こじんまりと楽しんでいたので、町中で祝うなにかを待っていたのかもしれない。

 「それで?何か案があるのだろう?」

 フェリオが陳情を受けるのに立ち会っていたランティスが、世話役らが手にしている書紙を目にして促した。

ランティスに水を向けられ、世話役の一人が慌てたように地図を広げる。

 「あ、はい。まずはこちらをご覧ください。ご承知のことでしょうが、町には二本の大きな通りがございます。

地域ごとの寄り合い所もほとんどその通り沿いです。お祭りに参加したい子供たちを集めますので、お城の

皆さまにはそちらにお寄りいただくのがよろしいのではないかと思いまして…」

 光たちが『ハロウィンをやる!』と言い出して以来、地球から持ち込まれた書物の中から拾い出して

ランティスなりにハロウィンがどういう物かを理解していたつもりだが、それではなにか別の…どちらかと

言えばクリスマスにやってくる、『さんたくろーす』とやらのようになるのではないかと眉根を寄せていた。

 「そりゃあ俺たちは楽でいいけどな」

 「なにしろ初めてのことで、あのお触れ書き一枚では私どもに解り兼ねる点もございます。お城の皆さまに

お手本を見せていただければと…」

 異世界の書物に触れる機会もない者たちには、何をどうしていいのやらと確かに困惑もあるだろう。

最初から完璧である必要などないのだから、『だいたいこういうおまつりだ』と見本になればいい。そこから

また皆の望む形になっていくだろう。ただし仮装の手本だけは御免蒙りたいと密かに思いつつ、ランティスは

「ならば…」と世話役らに話を続けていた。

 

 

 

―― そして、ハロウィンの夜

 

 腹が減っては戦が出来ぬ…という訳でもないが、夜に城下町に出かける者たちの為に早めの夕食が

用意され、ランティスがあちこちの森で拾い集めてきたという珍しいキノコの料理が振舞われていた。

 「お前、この為に何度も書庫に入り浸っておったのか…」

 七百有余年セフィーロで生きてきた彼でさえ数えるほどしか口にしたことのない幻の品を揃えた弟子に、

半ば呆れつつクレフがまたひとつ焼き物を口に運ぶ。

 「まぁ、きぬがさ茸のような感じですわ…」

 「こっちはポルチーニ茸に似てるわね」

 「うわぁ、松茸の香りがするよ、これ!!土瓶蒸しとか、松茸ご飯も出来るんじゃないかなぁ」

 地球でも見かけたような≪秋≫の恵みに、光たちも舌鼓を打っていた。

 

 

 腹ごしらえを済ませ一息ついたところで一行が出かける準備を済ませていた。仮装するのもハロウィンの

お約束のひとつ。何の扮装をしようかとみなひとしきり悩んでいたものだが、仮装と呼べない姿もあった。

 「まあこれも仮装と言えば仮装だよな、俺…。せめて旅で着てたラフな格好が…」

 王子としての、いつもの堅苦しい出で立ちのフェリオが唸っていた。

 「だーめ!ウィルの馬車にはその格好が一番似合うんですもの。そのかわり、風をお姫様に仕立ててあげた

でしょ?」

 子供向けの絵本から抜け出したような、パフスリーブのドレスにティアラ姿の風がにこっと笑いかけた。

 「このドレスでエスコートしていただくなら、そのお召し物のほうがバランスがいいと思いますわ」

 これは多少地球色の濃いドレスだが、セフィーロ風のドレスもきっとばっちり似合うだろうとやに下がった

フェリオはそれ以上の文句を引っ込めていた。

 海は女招喚士になりきっている。アスコットは狼男ということで、海の父親が着なくなった茶系のスーツに

しっぽを付け、頭にはいつもの帽子の代わりに猫耳ならぬ狼耳を付けていた。両手には海がパーティーグッズ

ショップで見つけてきた狼の前脚を擬したもふもふの手袋をはめている。足元もしっかり狼脚風のブーツだ。

ただ本人の迫力不足で、狼男というよりも、大型犬男(なんだよソレ…)のノリであるのがなんとも情けないあたり

だった。

 耳としっぽといえば本家本元は光だが、あれは不随意的に現れるので仮装にはならない。ということで、

真っ赤なフード付きケープコートを着て赤ずきんちゃんを装っていた。パニエでふわっと裾が広がるジャンパー

スカートは赤ずきんちゃんの挿絵を見たプレセアが作ってくれたものだ。

 そしてもう一人の仮装じゃない男がランティスだ。いかに光の提案とはいえ、出来ることと出来ないことが

ある。幸いウィルの馬車を御する役回りなので、普段通りの格好でいいと言われ、内心安堵の息を

零していた。ただし、夜、漆黒の馬に漆黒の鎧では見映えがしないからということで、白い神官服を着てと

指令が出ていた。魔導師としての勤めで精霊の森などに出向く時はそのなりなので、造作ないことだった。

 

 

 城下町の向こう、草原を挟んだ先には沈黙の森が広がる。平穏な時間が流れ始めた今もあの森には人と

相容れない存在が少なからず棲んでいる。その為、住民に仇なすものの接近を知らせる魔法を仕掛けた柵で

囲われ出入りのためのゲートが設けられていた。住民の出入りを監視するというより、いつかのような惨劇を

繰り返さない為の配慮だった。光たちはそちら側から町に入り、『Trick or Treat!』の合言葉のもと、

『お祭りに参加します』の目印のジャック=オ=ランタンを探して町を徘徊していた。

 道幅も十分な大通りをウィルの馬車を曳いたエクウスが優雅に走っていく。煉瓦様の道を行く車輪と蹄の

音が夜の町に響く。お祭りに反対ではないけれど、仮装して菓子のやり取りをするほどでもない者たちも、

その音に気づき窓を開けて覗いていた。

 「こんばんはぁ!ちょこっとお騒がせしてまーす♪」

 エクウスに乗っている光が窓辺のギャラリーにぶんぶんと手を振った。

 よくランティスと一緒に町にやってくるあの娘だと気づき、「やあ」と手を振り返すが、いつも風変わりな

出で立ちなので仮装というよりただの普段着なのではないかと思えた。

 それに続く大きなウィルの馬車を見た人々から歓声が上がる。お忍びで町にお出ましになる王子に寄り添う

ご令嬢も異国風の衣装が多いが、今宵は格別、妃殿下と呼ぶに相応しい姿だった。

 「いつの間にお妃さまをお迎えになったんです!?」

 「いや、残念ながらまだだ…」

 「今夜は仮装するのがお約束ですもの。庶民の私がこういうドレスを着ても構わないんですのよ」

 風がよく通る声でそう答えたのを耳にして、光が『風ちゃんちが庶民なら、うちなんかどうなるんだ…』と、

ぼそぼそ嘆いていた。

 唸っているのに気づき、光を抱いている左手で宥めるようにとんとんと叩いてランティスが囁きかけた。

 「俺は気にしない」

 町の者たちのヒカル評は、概ね、『魔法剣士ランティスがよく連れ歩いている、風変わりだけど明るい異国の

娘』というところらしい。もしあの者たちが光の正体を知ったなら下にも置かぬ扱いをすることだろう。光こそが

美しく平和なこのセフィーロを取り戻してくれた者なのだから。歴代を飾ってきた宝玉煌めく≪柱≫の証さえ

持たぬ身だが、あの日、世界を覆い尽くす暗雲を切り裂いて浴びたまばゆいひかりだけが光の王冠だった。

 「そう言ってくれると思ってた」

 逞しいランティスの腕の陰に隠れて、光はほんの一瞬だけランティスの胸に額をぶつけていた。

 

 

 町の寄り合い所と、なにかしかの理由でそこまで出向けない者たちの家を巡り、一行は城下町の城側の

ゲートに近づいていた。この辺りにはミラたちの住む集落がある。

 意外に時間がかかっていたので、小腹の空いてきた光は貰ったお菓子をぱくぱく食べていた。ただしあまり

甘い匂いがするとランティスが頭痛を起こしかねないので、まとめてほうり込んである袋から手探りで決めて、

目で楽しむ間もなく口に持っていく有様だった。

 スカートだというのに身軽にエクウスから飛びおりた光がミラの家のノッカーを鳴らした。

 「Trick or Treat!!お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうよ〜っ!!」

 「Happy Halloween!

 ドアが開き、驚かせるはずの光のほうが素っ頓狂な声を上げていた。

 「わ、わわ、私!?…な訳ないや、ミラ!?」

 「エヘヘッ、びっくりした?ヒカルお姉ちゃん」

 学校の制服に胸当てやグローブなどの標準装備、太めの紅い糸で作ったみつあみのウイッグを身につけた

ミラが立っていた。

 「うっわー、そっくりだね!一人で作ったの?」

 「そんなの無理だよ。お母さんにいっぱい手伝って貰ったの。そのかわりウミお姉ちゃんが教えてくれた

クッキーを頑張って作ったんだ。ヒカルお姉ちゃんだけの特別なやつだから、絶対食べてね」

 「…う、うん。こんな美味しそうなの、一人で作れちゃうんだね」

 家庭科分野が得意といえない光は、自分そっくりの  コスプレ  扮装よりこちらのほうに衝撃を受けている

ようだった。

 

 

 『…なんだか不思議な味がする…』と、エクウスに乗るなりミラから貰ったクッキーを口に放り込んだ光が

小首をかしげていた。

 「どうした?」

 ランティスが尋ねる声に、光はぶんぶんと首を振った。

 「なんでもないよ。上手に作ってるなぁ、と思って」

 『ちょっぴり苦いから微妙に焼きすぎてるのかもしれないけど』とも思いつつ、他人様にどうこういえる腕前で

ない自らを省みて、ミラが頑張って作ってくれたのだからと光はぱくぱくと食べていた。

 そんな光を見て、『やったわ…!私の作戦勝ちよ!』とガッツポーズを決めた小さな影が居たことに、

その場にいた誰もが気づかずにいた。

 

 

 城下町と果樹園・農園のある田園地帯を回った後は、城の中でもう一巡りする予定だ。みな総じて

夜更かしでどのみち起きているし、一から十まで手伝ってもらったプレセアに三人でお礼をしようと

準備していたからだ。

 かつて魔神たちが出入りに使っていた大きなゲートに気球もどきの魔獣ゴンドラの海たちを先に下ろし、

ゆっくりとしたアプローチでエクウスの曳く馬車も滑り込んでいった。

 「ホントに絵になってるわよねぇ、風とフェリオ…。おっつかれ〜!」

 ゴンドラから降りた海が光や風たちに手を振っていた。

 「みんな楽しんでくれてたよね。やってよかった〜!」

 そう言いながらエクウスから飛び降りた光だったが、珍しく着地に失敗して二、三歩たたらを踏んで

前のめりに手を突いていた。

 「ヒカル!?」

 「何やってるのよ光ったら・・。大丈夫?」

 「てへへっ・・・・。にゃーっ!何これ!!??」

 悲鳴のような声にランティスが慌てて光に駆け寄る。

 「両手が猫になっちゃってるよぉ」

 へたり込んだままの光の服の袖口から見えているのは確かに獣の・・光が言うところの猫の前脚に

なっていた。

 「あら、光さんまでそういうのをご準備なさっていたんですか?」

 馬車から降りてきた風がのんびりとそう尋ねた。アスコットだって海が持ってきた狼脚風もふもふ手袋を

していたのだから、そう思うのも無理からぬことだった。

 「違うってば。そんなの持ってこなかったもん!」

 顔を上げた拍子に赤いフードが後ろに落ち、光の顔を見た一同が固まっていた。

 「……おい、ランティス。お前、何か魔法かけてやったのか?」

 「・・・・・あんな魔法は知らん」

 「耳としっぽはよく見てたけど、あんなに≪完璧≫なのは初めて見た…」

 「そりゃそうでしょ。一緒に旅してた私たちだって見覚えないもの。あれじゃまるで・・・」

 言葉を濁した海の代わりにフェリオがするりと言った。

 「まるっきりタントだよな。かなり色が黒い気はするけど」

 「タヌキ≪タント≫はあんまりだっっ!せめて猫って言ってよぅ!」

 五十歩百歩なこだわりを見せる光に、ポケットから取り出した手鏡を向けつつ海が苦笑した。

 「言っちゃ悪いけど、確かに黒っぽいタヌキに見えなくはないわよ。ほら」

 小さな鏡の中の姿に光が絶句していた。そこに映っているのはどう贔屓目に見ても≪赤ずきんちゃんの

コスプレをしている黒タヌキ≫と言われても仕方のない代物だった。

 「ちょっと失礼しますね」

 風が長いひげを引っ張ると、「いたたたっ、風ちゃん痛いっ!」と光は引っ張られたほうへ顔を持っていく。

 「本物のようですわ。いったい何が起こったんでしょう…?」

 「お前、一番近くに居て気づかなかったのかよ」

 その場に居た誰もがランティスの顔を見たが、こんな妙な現象を説明しろと言われても無理な話だった。

いつものミニスカートならしっぽにも気づくが、あいにく今日の光はふわふわのパニエつきのスカートだった

ので、もそもそしても判りようがなかった。おまけに大きなフードを被っていたので顔だってほとんど

ランティスからは見えなかったのだから。

 「説明できそうなのは導師ぐらいだろう…。行こうか、ヒカル」

 「うん」

 しょんぼりした光を抱き上げたランティスを先頭にして、一同はクレフの部屋へと向かった。

 

 

  

 

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