7月 5日 vol.2
――オートザム標準時1035、ノマド時間1005――
対セフィーロ戦以降に建造されたストーリアのセンサー系はザズの予想を裏切らない精査結果を弾き出し、それは
すぐさま首都にも打電された。旧式のノマド基地のセンサー系では検知しきれなかった天蓋外殻の微細なひび割れが
多数見つかり、大きな余震で一気に崩落する可能性が高まったのだ。このクラスのドームを一から再建するとなれば
年単位の歳月が必要で、そうなればノマドを地熱発電所ごと放棄するより手段はなかった。いかにランティスといえど、
こんな広範囲に殻円防除を張り巡らせたままでいるなど、一週間でも無理な相談だった。
――オートザム標準時1055、ノマド時間1025―― オートザム首都艦隊基地・作戦会議室
イーグルが講じなければならない対策は三つ。一つ目は広域点検中のダイナを点検項目を最小限まで削りに削って
一刻も早く再稼動させること。安全を慮って項目削減を渋る現場と計算の限りを尽くし昨夜から説得に当たっている
技術士官の話し合い(殴り合いにならないことを祈るばかりだが)の報告待ちだった。二つ目は最悪の事態に備え、ノマド・ドーム
内を総員退避させられるだけの編成で救援部隊を急行させること。そして出来うる限りノマド・ドームを死守することだった。
たとえダイナが再稼動したとしても、ノマド地熱発電所を失うのはオートザムにとって大打撃だ。新たに、しかも多数の
精神消耗性嗜眠病の患者が発生すれば、クーデターが勃発してもおかしくないほどの混乱をきたすだろう。後ろから
撃たれることのないように、首都第二艦隊から選抜するノマド救援部隊の指揮官と、首都基地司令官及び首都第一
艦隊司令官代理であるイーグルの代理を務める者の人選を慎重に行わなければならなかった。頭の中で目まぐるしく
計画を練り上げているイーグルのギアに、司令官側からしか使えないはずのコードによるコールが入った。その内容を
デコードしたイーグルは困ったような苦笑いを浮かべた。
『軍用コンピュータへのクラッキングは重営倉入りぐらいじゃ済まないって、言っておいたはずですよ、ザズ?』
重営倉入りどころか、場合によっては銃殺刑も有り得るのだ。それでもノマド・ドーム維持の為には有り難い情報だった。
微細なひび割れが多数確認された以上、RVRやYRVの帰還を待つ余裕はないものと思われた。何らかのアクシデントで
両艦の帰国が遅れた場合、そのタイムロスはノマドにとって致命的なものになりかねなかった。
腹を括ったイーグルは立ち上がって一同を見回し、布陣を発表することにした。イーグルの旗艦変更にやはり乗艦の
ドライドック入りの為に応じられず面目を失っている風情だったニール・アベ提督をまず首都基地司令官代理並びに
首都第一艦隊司令官代理に据えた。序列から言っても文句なしの上位で、本気でクーデターを起こす気概でもなければ
強硬派も逆らえないはずだった。
ノマド救援艦隊は旧型の戦艦を外し、巡航艦主体で編成することをイーグルが宣言すると、またしても異論の声が
上がった。
「しかし健在の戦艦を差し置いて巡航艦を旗艦にするというのは…」
「司令官の座乗艦には相応しくないとでも?僕はそうは思いません。それに艦隊指揮は巡航艦ウイングロード艦長
オッティ・オースターに一任し、第二艦隊司令官イーグル・ビジョン…つまり僕は別行動になります」
にこやかなイーグルの言葉に一番目を剥いていたのは、オブザーバー席にいて事前通達もなく名指しされたオッティ
だった。
「イーグル…ビジョン閣下?!」
士官学校同期で常に首席を競い合った間柄とは言え、公の場で呼び捨てる訳にはいかなかった。
ニール・アベとオッティ・オースターを残し、イーグルは作戦会議を散会した。
「速力重視で巡航艦と軽巡航艦合わせて十隻程度を選抜してください。ノマド・ドームの人口は官民で一万人弱です。
多少の混雑は我慢してもらいましょう。最悪ドーム放棄も考慮しなければならないので、編成後ただちに出航。ノマド
到着次第、民間人、軍属、正規軍の順で艦艇への退避を完了しておいてください。僕もいろいろやることがあるんで、
いちいち報告の必要はありません。どうしても相談したい事案が発生したら、教官…じゃなくて、アベ提督のご指示を
仰いでください」
この面子でいると、つい士官学校時代を思い出して昔の呼び方をしてしまう。
「了解」
「提督、ご面倒をおかけしますが…」
「全くだ。ターセルといい坊主といい、一番面倒なところをわしに押し付けおって。で、何を企んどるんだ?」
「あははは、そろそろ坊主は勘弁してほしいなぁ。天蓋外殻ドームの応急補修に使えそうな≪或る物≫をいただいて、
高性能マニピュレータ搭載機でノマドに向かいます」
「工作艦の速力じゃ、文字通り夜が明けちまう。船体に多少無理はかかるだろうが、巡航艦で曳航するか?」
「工作艦は本格補修のために出航させますけどね。今は使いません。僕は『搭載機』と言ったはずですよ。あなたに
首席を明け渡したことのない、あれです」
にこりとそう言ったイーグルをオッティは横目で睨んだ。
「…ふんっ。正規軍に入ってからエトランゼ≪外人部隊≫のヤツに土つけられたくせに…」
「いやなこと覚えてる人だなぁ。いまそのエトランゼがノマドを守ってくれてるんですよ」
「あの魔法使いが…?あ、お前がジェオと一緒に俺の艦にねじ込んだノマドへの見舞い客か?!乗員名簿見た時に
聞いたような名前だと思ってたんだ」
「魔法使いって…。ずいぶん本人とは雰囲気が違うなぁ。正しくは魔法剣士なんですけど。ランティスを知っていたん
ですか」
「面識はない。今回だって表敬訪問もなかったよ。ヤツはエトランゼの中じゃ目立ってたからな。噂には事欠かない
タイプだったし。『真夜中に黒魔術の材料仕込んでる』とか、『睨まれたら石化する』とか…」
くっくっくと笑いをこらえながら、イーグルはオッティの肩を叩いた。
「事が片付いたら、是非ランティスの前でそれ言ってみてくださいね」
「ばか言え。俺は新婚なんだぞ。んな命懸けの冗談かませるか」
かつての教え子二人のたわいのないじゃれ合いに提督が口を挟んだ。
「わしの可愛い孫娘を泣かせたら、一生どさまわり(=辺境パトロール勤務)にしてくれるからな、オッティ・オースター」
「提督、あからさまな公私混同は困ります」
一応釘を刺すイーグルに、提督はにやりと笑った。
「心配せんでも昇進なんぞさせん。やるのは左遷だけじゃ」
「ランティスも新婚さんだから、意気投合するかもしれませんね。とんだ新婚旅行になってしまって…」
「そりゃ気の毒に…。さて、うちの優秀なナンバーワン(副長)はそろそろめぼしい面子をピックアップしてくれただろう。
ただちに選抜して…」
「オッティ、厄介ごとがもうひとつ。この女性を見つけたら保護してほしいんです」
イーグルはギアに光のホログラム映像を映し出した。その映像をオッティがしげしげと眺めている。
「お前、ストライクゾーン広いね。紅いお下げに紅い瞳…。昨日から噂になってる幽霊じゃねーの?こんなはっきりした
ホログラムはなかったけど。見てみな」
オッティのギアには光の目撃情報を集めた専用サイトが表示されていた。どうやらイーグルの首席秘書官が集めた
情報以上にあちこちで目撃されていて、幽霊騒ぎになっているようだった。
「まだ子供だったんだな、可哀相に…。しかしなぁ、お前、いくらなんでもロリータで怪奇趣味はイカンだろ」
「いくら可憐でも幽霊はいかん。わしの孫のスズのほうが…」
「縁起でもないこと言わないでもらえますか、お二人とも。だいたいスズ嬢はまだ10歳ぐらいでしょう?ヒカルは
もうじき23歳だからロリータじゃないし、生きててもらわなきゃ僕がランティスに顔向けできません」
「ぁん?」
「彼女がランティスの新妻のヒカルです。標準時間7月4日昼前にヴィラ=フィオーレから姿を消して、1408にデリカ、
1859にトッポ、2214にタウンビーで目撃されたあとの消息がつかめないんです。おそらくノマドを目指してるものと…」
「いやしかし、俺たちは寄港する訳じゃない。保護しろと言われても…」
「だから、『もし艦隊に現れたら』捉まえてて下さい」
「ははん…幽霊じゃなくて、出たり消えたりは魔法か」
「恐らくは。彼女にしろランティスにしろ空間転移系の魔法は使えないはずなんですけど」
イーグルのギアから転送されてきたデータを見ながら、オッティはポリポリと頬を描いた。
「ちっちゃくて軽いなぁ…。この程度の重量が増えたからって、普通反応しないぜ?航行中、全艦センサー系フル
稼働だな」
オッティに教えられたサイトをチェックしたイーグルが眉を寄せていた。
「ここでもタウンビー以降の消息はありませんね」
「届かないんじゃないか?首都からデリカ、デリカからトッポ、トッポからタウンビー…いずれも距離的には同じような
線だ。だがタウンビーから先はノマドまで都市もない」
「まだタウンビーにいる確率が高いってことですか。艦隊がそこを越えたら要注意ってことで」
「人妻口説く趣味はないんだけど、見かけたらやってみっか」
アベ提督の額の青筋に気づき、オッティがわざとらしく咳払いをした。
「おふざけはこのぐらいにして、と。巡航艦ウイングロード艦長オッティ・オースターはすみやかにノマド救援艦隊を
編成し、完了次第、直ちにノマドへ向けて進発します!」
姿勢を正しビシリと敬礼しながら申告すると、オッティは作戦会議室を出て行った。
もともと首都第二艦隊にはイーグルのシンパも少なくなく、第一艦隊に比べて若い世代が多い。古狸もとい古参
幕僚が居座る旧型戦艦を『速力不足』の名目で除外したのは正解だったろう。オッティ・オースターは副長が準備した
リストから、ウイングロード級の二番艦から四番艦である巡航艦クロスロード、ロードスター、ロードペーサーを中核とし、
現在ノマドで待機中の軽巡航艦ストーリアの姉妹艦六隻で救援艦隊を編成した。いずれも艦長を務めているのは
イーグルとほぼ同世代だった。イーグルの指令を受けてから僅か一時間足らずで、オッティ・オースター麾下 (きか)の
ノマド救援艦隊は首都基地を飛び立っていった。
――オートザム標準時1215、ノマド時間1145――
「さすがに≪疾風≫オッティは仕事が速いですね。僕もサクッと片付けますか…」
ノマド救援艦隊が首都基地を飛び立った頃、イーグルは首都郊外のオートザム中央研究所の中庭にFTOで乗り
込んでいた。突然の珍客に所員らは唖然とし、そこから降り立ったパイロットを見てさらに呆然としていた。その機関の
後ろ盾は≪柱≫奪取派の最右翼で、そんなところに敵対派の元締めが乗り込んできたようなものだった。研究所の
責任者を呼び出すとイーグルはにこやかに言い放った。
「現在研究開発中の流体硬化テクタイトをありったけ出してください」
「な、何故あなたがそれを」
「そんな些細なことはどうでもいいじゃないですか。大地震で天蓋外殻ドームに複数の亀裂が生じているノマドで、
大々的に実証テストをしようと思いましてね」
「いやしかし…そういう用途で開発した訳ではありませんし」
「申し訳ありませんがここであなたと言い争う時間が惜しいんです。大統領令代執行者として、所長の首をすげ替える
手段に出ても構わないんですよ」
権限は与えられていてもめったにそれを振りかざすことのないイーグルだったが、もうなりふりを構っている場合では
なかった。相変わらずにこやかではあるが、眼は少しも笑っていなかった。
「し、承知致しました。いますぐ準備させます」
「ついでに最優先で追加生産しておいてくださいね。足りなくなると困りますから。民間の工場を一時的に接収して
貰っても構いません」
アベ提督に輸送部隊の手配を依頼すると、イーグルは次の獲物を狙ってFTOを飛び立たせた。
――オートザム標準時1245、ノマド時間1215――
首都基地近くの兵器工廠でもいきなり降り立ったイーグル専用モデルのFTOに一騒ぎが起きていた。
「ノマドが大変だって時に、街中で何を乗り回してるんですかね…」
顔なじみの工廠長が子供のいたずらをたしなめるような口調で苦言を呈した。
「地上車は道路にそって動かなきゃなりませんし、いろいろとね」
2日の件に政治的な背景があるなら、また狙われないとも限らないし、今度こそ他の者が巻き添えにならないとも
限らなかった。少なくともFTOのイーグルに喧嘩を売るようなばかはそういない。
「GTOの整備は済んでますよね?それと新型も至急準備を。その二機にΣ(シグマ)ユニットを実装して、フェロー・
システムで僕のFTOからの操作が出来るようにリンクしてください」
小指で耳の穴をほじくり返しながら、工廠長はそらっとぼけていた。
「空耳が聞こえやがる…。フェロー・システムの親機をFTOに積み替えろとかなんとか」
「ちゃんと解ってるじゃないですか。FTOに積んでほしいってお願いしてるんですよ」
嫌味が通じてないのかと工廠長はため息をついた。
「ジェオが何の為にフェロー・システムの開発を俺たちに頼んだと思ってるんだ…。出撃中のあんたが精神消耗性
嗜眠病の発作を起こした場合に助けられるようにってのが、あれの開発コンセプトだ。その病気持ちのあんたが他に
二機も引っ張るだ?!寝言は寝てから言うもんだ!」
「そのジェオはノマドにいるし、緻密な作業の出来るマニピュレータがあって速度が出るのはFTOだけなんです。
お願いします、工廠長。ノマド・ドームの天蓋外殻の損傷具合からいっても、あまり時間の猶予がないんです」
イーグルとの睨み合いに根負けして、工廠長はわさわさと前髪を掻き揚げると部下に叫んだ。
「GTOと新型にΣをスタンバっておけ!!それからフェローの親機をFTOに、子機をGTOと新型に載せて繋げ!!
大至急だ!!!」
無理を聞き入れて貰えたことに笑顔をみせたイーグルの顔を、工廠長はビシリと指さした。
「どんなに急いでも半時間以上はかかります。頼みますから、その間に飯食って休んでてください」
「僕が行き倒れちゃ話になりませんからね。そうします」
――オートザム標準時1510、ノマド時間1440――
巡航艦ウイングロード艦橋のレーダーは後方から接近する飛翔体を捉えていた。
『こちらFTO、イーグル・ビジョン。巡航艦ウイングロードへの着艦を許可願います』
「こちらウイングロード。着艦を許可します。予想外にお早いお着きで」
『Σユニットのブースター全開にしてきましたから。エネルギーゲージはレッドゾーンですよ。急速チャージお願い
しますね』
「試作品で無茶してるなぁ。とりあえず了解。主任通信士、クロスロードに『並走してGTOのΣユニットに急速チャージ
するように』と伝えてくれ。うちは新型の分を急速チャージだ」
「Aye, aye, Sir!(アイアイサー!)」
「ナンバーワン、ここを頼む」
「Aye,Sir.(了解)」
艦長席を立ったオッティがイーグルの出迎えに向かった。
NSXほど大きくもないウイングロードの甲板にFTO、GTO、新型FTOが大荷物を携えて停止しているのを見た
オッティは、狭苦しさを感じて肩を竦めた。
「甲板混み合ってるなぁ…。お疲れさん!追いつくとは思わなかった。急速でも1時間はかかるから少しでも休んで
おけよ、イーグル」
「みんなして僕を病人扱いするんですね。工廠長にも言われちゃいましたよ」
「実際病人だろ?一機だけでもキツイのに三機繋いじゃな…。お前に何かあったら、工廠長のクビが飛ぶぞ」
「大統領はそんなことしませんよ。まぁ、念のため書き置きはしておきますけど」
「それ、洒落になんねー…」
「お客様はまだみえませんか」
「気配もないね。ノマドを目指してるなら、やっぱりタウンビー過ぎてからだろ。だから今のうちに艦長室で寝とけ。
ソファーなんて洒落たもんはないから、ベッド使えよ」
「あなたの、ですか?」
「俺は使ってないんだから綺麗だっつの。だいたい貴賓室なんて余裕あるか。避難民乗せる準備してるのに空き
部屋なんかねーんだよ。贅沢言わない!」
「すみません」
「お前の幼年学校の学籍番号でも開くようにしてあるから。勝手に入って適当にやっててくれ。あ、遊んでないで
寝ろよ!」
「あははは、信用ないなぁ」
ひらひらと手を振って、イーグルは艦内ベルトウェイに運ばれていった。
「幼年学校の学籍番号ね…えーっと、何番だったかな」
ぶつぶつ言いながらも一度も間違わずに解錠し、NSXの物よりふたまわりばかり狭い艦長室に入り込む。
「お邪魔します…」
少しばかり物珍しげに見渡したイーグルがデスクのフォトフレームに目をとめた。イーグルも出席した結婚式の写真が
スライドショーで次々と現れる。ブーケを胸元に抱いた笑顔の花嫁。両家族が勢揃いした写真にはもちろんアベ提督の
姿もある。士官学校時代の同期が『提督が一番可愛いがってる孫娘を射止めて、上手いことやったな』とばかりに
ヘッドロックをかけてるシーン(その実、オッティと花嫁のヴィーは幼なじみの間柄なのだが)。礼装で少し緊張した
面持ちのオッティと腕を組むはにかんだ花嫁。
「ヴァージンロードだけなら、僕たちもあんな風に見えたんでしょうかね」
少しもふっ切れていない自分の言葉に呆れたように首を振りながら、イーグルはベッドに座り込んだ。
「ヒカル…、どうか無事でいてください」
ノマドに着いたら自分がやらなければならないことがあるので、体力を温存する為にイーグルはベッドに倒れこむと
無理矢理に目を閉じた。
ランティスがノマド・ドームのほぼ全域に殻円防除を張り巡らせて、すでに丸一日以上が過ぎていた。自分で言うのも
おこがましいがよく持ちこたえているほうだと思えた。時間が経つにしたがい、左薬指の結婚指輪の辺りがどくんどくんと
脈打つ感じが強まってきていて、まるでそこにも心臓があるような気さえした。
こんな無謀なことが出来ているのも、おそらくはこの先々代の≪柱≫の護り石と思われる物の力によるところが
大きいのだろうが、対の石を身につけている光に負担がかかっていないかどうかがずっと気掛かりだった。話したのは
事故直後以来だし、こちらの状況は全国ニュースになっているから、きっと気を揉んでいるだろう。直接話してやりたい
のは山々だが、ギアをつけた人間が建物内にいるだけで苦痛になってきているのでそれも出来そうになかった。
今夜には救援艦隊が到着する予定だとジェオが話していた。せめて民間人と軍属の避難が済めばあとはノーマル
スーツを着用した軍人ばかりになるのでまだしも精神的なプレッシャーは軽減されるだろう。魔導書丸写しよりも
遥かに受け身で過酷な持久戦をランティスは強いられていた。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆
巡航艦クロスロード…対セフィーロ戦以降に就役した巡航艦ウイングロード級の二番艦 ホンダ クロスロードより
巡航艦ロードスター、ロードペーサー…同三番艦、同四番艦。いずれもマツダ車より
RVR…対セフィーロ戦以降に就役したNSX級戦艦の二番艦。三菱 RVRより
YRV…対セフィーロ戦以降に就役したNSX級戦艦の三番艦。ダイハツ YRVより
ニール・アベ提督…ターセル・ビジョン大統領とは士官学校の同期でイーグルのことも息子のように可愛がっており、ときどき「坊主」と呼んでしまう。
イーグル、オッティの教官でもあった。日産 アベニールより
オッティ・オースター…イーグルとは士官学校の同期。常に首席を争っていた良きライバル。「俺・お前」の仲。日産 オッティ及びオースターより。
オースターは「南の風」の意。
スズ…ニール・アベ提督の10歳の孫。スズキ スズライトより
流体硬化テクタイト…各種SFでお馴染み(笑)硬化テクタイトの液体版 (え?そんなマニアなもの知らない?)
兵器開発工廠工廠長…名前も出しませんでしたがイメージ的には橘水樹・櫻林子両女史によるJANEのウィリアム・ローディンさんみたいな感じです
Σ(シグマ)ユニット…開発中のFTO長距離飛行用補助装置。翼の形がΣに似ていることからその仮称がついた。三菱 ギャランΣより
フェロー・システム…緊急時にFTOを僚機から操作するシステム。言うまでもなく精神的な負担は大きい。ダイハツ フェローより(フェローは「仲間」の意)
ヴィー…オッティ・オースターの妻。ニール・アベ提督の孫娘。トヨタWiLL Vi(ブイアイ)より