Endroll は Trap つきで ♪

 


               「な、な、な、何これーっ!」
        エントランスホールの掲示板にウェルカムパーティーの詳細が張り出されたと

       級友から聞きつけ、職員室に呼び出されて不在の風を諦め、隣のクラスの海を

       誘って見に来た光が素っ頓狂な叫び声を上げていた。


        

 

 

Scorpius≪天蠍宮≫生から新Pisces≪双魚宮≫生になる皆様

大変長らくお待たせ致しました♪

 

ウェルカムパーティーのメインステージを彩る

劇の演目とメインキャストが決定しました。

 

遠雷 -E・N・R・A・I-

        最上義彬…ランティス・アンフィニ
        篠田楓…獅堂光
        最上義就…獅堂覚
        松平尊綱…フェリオ・デル=ソル
        篠田小太郎…イーグル・ビジョン

           

         他

 

当学院の理事のお一人である、ミセス・キャロル・アンフィニが

オリジナルサウンドトラックを担当されているということで

すでにご覧になった在校生の方も大勢いらっしゃると思いますが

未見の方はぜひこの機会に劇場へGO♪

(学生証は忘れず持参しましょう☆彡)

 

生徒会役員(欠席一名)と各学級正副委員長二名ずつにより編成された

ウェルカムパーティー実行委員会推薦によるキャスティングではありますが

原則として辞退は認めません。

 

新入生・転入生の皆さんに中等科・高等科に馴染んで頂けるよう
皆さんの自主的な協力を切に願います。

 

聖レイア学院中等科・高等科生徒会 ウェルカムパーティー 実行委員会    

 


           「な、なんで『遠雷』…?そりゃ大々的に宣伝してたけど誰もが知ってるって

       話じゃないじゃないか…」
        「あら。ウチの学生ならほとんど見てるんじゃない?理事先生がサントラ担当

       だってこと、ここに書かれなくてもみんな知ってるし。愛校精神旺盛ですもの

       ねぇ、この学院。それに光たちの名前がエンドロールにクレジットされてるの、

       結構みんな話題にしてたもの」
        噂話というものは、いつだって本人のところには最後まで届かない。それが

       天然系ぽんやり娘の光と、世間の噂、我関せずのランティスではなおのことだ。
        「・・・なんであんなちっちゃな名前見つけちゃうんだよ、みんな…
(ソレは親友

           二人がリークしたから・爆)じゃあ百歩譲って『遠雷』なのはいいけど、どうして先輩と

       私なんだ…。大根だって……、二人とも桜島級の大根だって言ったのに…、

       このキャストはだめだよぉ…」
        涙目の光をよそに海は至って冷静だ。
        「新
Pisces≪双魚宮≫生は今回がラストだから、去年の主役のラファーガ先輩

       以外のエースを軒並み投入するのねぇ。大入り満員間違いなしだわ。大学部や

       初等科からも押しかけてくるんじゃない?」
        余談ながら中等科・高等科生以外は入場料として一人百円以上の募金をする

       ことになっており、その収益の三分の二が赤十字募金に回され、残り三分の一は

       留学生互助会にプールされることになっていた。
        「イーグル先輩は連投じゃないか!だったらヒロイン役も誰か…」
        「イーグル先輩はヒロイン役だったから、男役も見たいって要望があったんで

       しょうよ。それにランティス先輩逃がさないようにするなら、光以上の餌はない

       でしょが」
        「え、餌ぁ!?……まさか、風ちゃんの言ってた搦め手って…」
        「考えたわね~、風も。散々私のことオニ呼ばわりしてくれてたけど、もう

       判ったでしょ?ホントにコワイのは誰かって…」
        「う゛ーっ…」
        「妹の光がばっくれちゃ、生徒会長の面子丸潰れだし、光をほっぽって一人で

       ずらかっちゃうような人、願い下げでしょう?」
        「いや、でも、先輩だって苦手なの判ってるのに、あんまり無理強いは……。

       そりゃ私も逃げたいけど、覚兄様に恥かかせるなんて出来ないし…」
        「光を置いて敵前逃亡するようなヤツなら私達が許さないわ、ね?風」
        いつのまにかエントランスホールにやってきた風に海が同意を求めた。
        「もちろんですわ」
        「風ちゃ~ん!ウェルカムパーティーが台無しになっても知らないよ!?

       ホンっトに、掛け値なしに大根なんだからね!?だいたい公開中の作品なんて、

       著作権とかっ!そういう問題あるんじゃないのかな。うん、マズイよきっと」
        「そのあたりはぬかりありません。申し上げましたでしょう?『関係各機関

       との調整がありますから』と。ミセス・アンフィニを通して新開誠士監督にも

       お許しを頂いてます。原案も新開監督ですし、光さんとランティスさんに楓と

       義彬をして頂くことをお話ししたら、是非見たいとおっしゃるぐらいでしたわ」
        「いやーっ!?そんなの絶対無理っっ!」
        「監督さんと敦賀蓮さんお墨付きの立ち回りを中心にして、空お姉様がいま

       脚本を書いてらっしゃいますわ。昨年の『眠れる森の美女』以上に筆が進むと

       おっしゃるぐらいの力作ですのよ。今週末には仕上りそうですから、楽しみに

       なさっててくださいね」
        

        にっこり微笑む風に、何とかして逃げる手段はないのだろうかと、策略慣れ

       していない頭を懸命にひねり倒す光だった。。。。

 

 

                                  2012.5.17 up

 

 

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         ☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆

                    バレンタインがらみのネタだというのに、

        今頃upのダメっぷり・・・(_ _(--;(_ _(--; pekopeko

        まぁ、桜島大根がどの程度改善されたかは・・・

        オニな方々の教育的指導次第…ってとこでしょか(笑)

 

                                                         このお話の壁紙はさまよりお借りしています