親愛なる義弟、ランティスへ |
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光の結婚にごね倒していた愚弟二人より流麗な手蹟で驚いたよ |
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挨拶にも行けなくてと君はすまながっているけれど |
あの冬、雪降る東京のうちの道場に来てくれただけで |
僕は充分だと思っている |
あれだって、光には泣いて抗議されたんじゃないのかい? |
男勝りなようでも、あれで結構涙もろい子だから |
当時はまだ結婚の約束まではしてなかったと、あとで光に聞いた |
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それでも光のためにと無理を押した君になら、任せられる |
だけど、光を泣かせるような無茶は、なるべくならしないでやってくれ |
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それから僕のことは、覚と呼んでくれればいい |
あまり義兄上 、義兄上なんて言ってると |
愚弟どもが調子づいてしまいそうだからね |
あれでも一応、君の義兄たちだから |
光のことを頼んだよ |
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覚 |
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