「ええい、おじさんおじさんって連呼すんなよ、光のヤツ」

 翔はぐぬぬぬぬと拳を握っている。

 「光の子供から見れば、事実として僕らは伯父なんだから仕方ないだろ、翔。

それより写真見せてよ、兄さん」

 手紙を読み上げていた覚に優が手を差し出す。

 「残念ながら写真は上手く届かなかったみたいだよ。ほら」

 便箋を手にしていた覚が封筒を逆さまにすると、写真の切れ端がひらりと

落ちてきた。

 「封筒も便箋も無事なのに、なんで写真だけこうなっちまうかな…」

 向こうから持ち込もうとすると時々どっかに行っちゃうんだと以前に光が

嘆いていたが、どうやら今回はお披露目写真がその被害にあったらしい。

 ベビーベッドで寝ているところを写したのだろう、何やら白っぽい動物のような物が

ぶら下がるメリーは写っているのに、肝心の赤ん坊が居るだろう部分が無くなっていた。

 「母子ともに元気そうだってことで何よりだよ。亨の写真はまたそのうち見られるさ。

ランティスにそっくりだっていうんだから、ちょっと想像してみればいいんじゃないか、翔」

 にこにことそういった覚に翔が引き攣っていた。

 「ぐはっ! 悪の大魔神におじさん呼ばわりされたかねーっ!! 断じて認めーん!!」

 どかどかと居間を出ていく後ろ姿に優が苦笑する。

 「光の読み通り、往生際が悪いよね、翔…」

 「そのうち慣れるさ。お祝いは新しいムービーカメラがいいのかな…」

 「さり気なくおねだりだったのかな、あれ。ま、いいや。明日カタログ集めてくるよ。予算

決めといてね、兄さん」

 「ああ。頼むよ、優」

 よっと立ち上がって居間を後にする優を覚の声が追う。

 

 

 「亨…か。父さんにいい名前を貰ったねレヴィン。…お役に立てて何よりだよ」 

 ふくれっ面な光の顔文字を見ながら、覚が微笑っていた。

                        

                         2014.8.8

                         光ちゃん、ハピバ♪

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        先日twitterで殉さまが 第二回目となる深夜の真剣レイアース書描き60分1本勝負 という

      企画を開催されてました。

       相変わらずリアルタイムでは参加できなかったのですが、「手紙」のお題に乗っかってみました。

      光ちゃんのムービーカメラが壊れたのは、誰かさん(と誰かさん?)のせいです(^.^;

       殉さま、今回もネタありがとうございました

      写真の切れっ端に写るメリーは不倶戴天の…あたりにございます

 

       んでもって、レヴィンくん、光ちゃん、ハピバ♪  

 

              このお話の壁紙はさまよりお借りしています